富久長「八反草純米吟醸」

広島の酒造好適米に「八反」系がある。有名なのは八反錦だろう。これら八反系のルーツといわれているのが、八反草だ。1875年に育種されたが、背丈が高く倒れやすいため栽培が難しく、その後、途絶えてしまったという。それを2004年に東広島市の今田酒造本店が復活させた。八反草は酒造好適米ではなく、今田酒造の「富久長」にしか使われていないという。

その八反草を使った純米吟醸酒が富久長契約栽培復活米八反草純米吟醸だ。契約栽培米の八反草を100%使用し、精米歩合はこうじ米50%、掛米60%。アルコール度数16度。酵母は「なめらか、軽快、フルーティー」を目指して広島県が開発した「もみじ酵母」が使われている。

広島では三浦仙三郎が軟水醸造法(三浦式醸造法)を生み出すまでは、「悪酒」と言われるほど、酒の出来はよくなかったとされている。当時の酒を今、飲んでみたらどうなのか、本当のところはよくわからないが、八反草はその「悪酒」のころの酒米だ。富久長のウェブサイトによると、小粒で心白がなく、硬くて吸水性がよくないが、その一方で、硬いので高精白に向いており、溶けにくいので雑味が出にくく、爽快なキレ味になるという。

わりとすっきりとした酒をイメージして飲んでみたら、香りは確かにフルーティーだが、米の旨味が力強く口の中に広がった。酸味も甘みもあるしっかりとした素朴な味だが、キレはいい。後口が残らない。確かに爽快なキレ味と言える。

笹かまぼこ、金目鯛の湯引き、ひじき煮、本ズワイガニの押し寿司と一緒に飲んだ。

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