カフェ風の蕎麦屋で鯨波と小野桜ふかもり

夏の谷中を午後4時ごろ、2人で歩いていた。昼も食べていないし、何か食べて、酒も飲みたい。かなり早めだが夕食にしたい。そう思ったが、当然ながら、そんな時間に開いている居酒屋はない。うだるような暑さの中、谷中銀座から千駄木まで歩いて、さらに根津まで歩いたが、どの店も午後5時半以降のオープンだった。そして歩き続けて、ついにカフェ風の店構えだが、開いている蕎麦屋を見つけた。店名は「カワイ」。店の前のメニューを見ると、日本酒もあるし、一通りの蕎麦屋のつまみも書いてある。

午後4時半ごろの入店。当然、他の客はいない。店内は外観と同じく、蕎麦屋というより、カフェである。まずは生ビール。喉が渇いていたので、実にうまい。クリームチーズの醤油漬け本わさび添えと、炙り鴨の生ハム焼き葱のマリネ添えを注文する。クリームチーズは自家製のかえしに漬けてあり、焼き葱はバルサミコドレッシングでマリネしてある。上品にひと工夫してある。

日本酒は2種類しか置いていない。鯨波純米吟醸と、小野桜ふかもり特別純米生酒。どちらも岐阜県中津川市の酒である。

鯨波は恵那醸造。ひだほまれ100%で、精米歩合は大吟醸と同じ50%まで磨いている。アルコール度数は16~17度とやや高め。香りはフルーティー。米の甘みと旨味を感じるが、キレもある。酸味は少なめだ。小野桜は山内酒造場。精米歩合55%、アルコール度数15~16%。こちらはあっさり、爽やかで飲みやすい。米の旨味もあるが、後味はすっきりとしている。

2人でそれぞれ2合ずつ飲んだ。一升瓶からとっくりになみなみと入れてくれる。さらに焼き味噌、蕎麦豆腐を頼んだ。焼き味噌は葱や蕎麦米、くるみが練り込んであり、何とも香ばしい。蕎麦豆腐も蕎麦の実の食感が美味しかった。〆は鴨つけせいろ蕎麦と、つけとろせいろ蕎麦。もうかなり酔っていたが、蕎麦の味と香りがきちんとして、実に美味しかった。

まだ陽の高いうちからこれほどレベルの高い酒と肴が楽しめるのは、本当に貴重な店だ。

日本酒ナビゲーター認定講座

9月2日、四谷三丁目の「御酒塾」で開かれた日本酒ナビゲーター認定講座に参加した。集まったのは男6人、女7人で計13人。講師は大越智華子先生。短い休憩を挟みながらだが、午後1時から午後6時ごろまで、5時間という長時間の講座である。

テキストは大越先生が作ったという。先生はとても話がうまい。5時間も聞くと普通は飽きてしまうが、時々、生徒に話しかけたり、テキストを読ませたりして、飽きないように工夫されていた。内容は一通り、日本酒の基礎を教えるもので、日本酒の入門書などとそうは変わらないが、本を読んでも頭に入らない知識が、聞くと頭に入ってくる。やはり、本を読むだけでなく、講座などに参加するのは大切だと思った。

試飲もあって、6種類を飲んだ。奈良県・北村酒造の「猩々」特別本醸造、特別純米酒、純米大吟醸の3種類、愛媛県・内子町の千代の亀酒造の千代の亀ひやおろし純米吟醸、福島県二本松市・大七酒造の大七純米生酛、西条の加茂鶴酒造の広島錦。

瓶は見せず、プラスチックのコップに入れて出されるのを飲み比べたが、困ったことに、香りや味の違いは分かるのだが、それをどう表現すればいいのかが、全く分からない。意外なほどだった。特別本醸造のアルコール感、純米酒の米の旨味、大吟醸の吟醸香、ひやおろしのフレッシュ感など、そう言われれば確かにそう感じるが、言われないとはっきりと感じられない。分からないので何度も飲むうちに、ますます分からなくなる。

広島錦は復活した幻の酒米だという。この復活にも大越先生は協力したらしい。

4種類のチーズが出されて、酒と一緒に食べた。カマンベール、ウォッシュタイプ、ミモレット、コンテだったと思う。

受講して、唎酒師になることはそれほど難しくないと思ったが、本当に利き酒ができるかどうかは、また別問題のようだ。

 

日本酒ナビゲーターを受講しようと思った理由

「マンマ・ミーア!/ヒア・ウィー・ゴー」は前作に劣らず楽しい映画だった。その中で、登場人物があることを覚えているかと聞かれて、「50歳を過ぎているんだから、自分の名前以外は何も覚えちゃいない」と答える場面がある。笑えるけれど、説得力のある言葉だ。50歳を過ぎると、「知っているけれど思い出せない」ことだらけ。思い出せないのなら知らないのと同じことではないか、と言われるかもしれないが、知らないのと、思い出せないのとでは、全く違う。自分の中では「知っている」ことを知っている。知っているけど言葉に出来ないだけだ。

日本酒に関してはいろんな資格がある。私は資格を取るということをバカにしていた。資格を取って酒が旨くなるわけでもなく、資格を取るために勉強をするヒマがあったら、もっと酒を飲んでいたい、と思っていた。

ある日、会社であまりに暇なので、日本酒検定でもやってみようかと、突然、思い立った。インターネットで「日本酒検定3級」の過去の問題をダウンロードして、周りの人たちに見つからないよう、こっそりやってみた。3級くらいは全問正解できるだろうと完全にみくびっていた。

ところが、7割くらいしか正解できず、合格ラインに届かなかった。コソコソとやっていたわけで、集中できなかったとか、本気でやっていなかったとか、いろいろ言い訳はあるが、3級にすら合格できなかったというのは事実。何となく日本酒についてはまあまあ知っていると思っていたが、何も知らなかった。悲しい。

検定の問題には業者向けのものや、どう考えてもこんなもの知らなくてもいいだろうと思われるようなものもあった。しかしこの際、反省して、日本酒検定の問題を勉強しようと思った。検定について調べたら、日本酒ナビゲーターとか唎酒師とか、いろんな資格があることがわかった。

日本酒ナビゲーターはただ講座を受けるだけで取得できるし、唎酒師も十数万円かかるけれど通信教育コースなどにすれば試験を受けなくても取得できる。資格としてはやや疑問はあるが、まあ真面目にやってみようと思った次第である。ワインと同じく、きちんとした知識を得ることで、日本酒の味も変わってくるかもしれない。より美味しく飲めれば素晴らしい。

資格の中で、一番てっとり早いのが日本酒ナビゲーターだった。これは本当に講座を受けるだけだ。9月2日、認定講座を受講し、日本酒ナビゲーターとなった。

今後、日本酒検定も受けてみたいと思うが、「知っているけど思い出せない」問題を何とかしないと、試験には受からないだろう。

 

六本木「ちゃ路」

六本木を2人で歩いて、居酒屋を探した。何となく入ったのが「ちゃ路」だった。ごく普通の居酒屋だと思ったが、実にいい日本酒が揃っていた。

山口五橋fiveグリーン純米生原酒、みむろ杉(おそらく、特別純米辛口だと思うが、よく見ていなかった)、富久長ひやおろし秋桜純米吟醸、山本純米吟醸ドキドキ。

五橋は岩国の酒井酒造。生原酒っぽい旨味、甘味、やわらかさがあり、濃い味で酸は抑えめ。精米歩合70%。アルコール分16度。生原酒の良さがよく出ているように思う。

みむろ杉はすっきり、キレがいい。後口が爽やかで、辛みもあり、とてもあっさりしている。奈良県桜井市の今西酒造だ。

富久長は、契約栽培の八反草で有名な東広島市の今田酒造本店。「秋桜」は瓶火入れで10か月の瓶貯蔵らしい。米は八反錦などを使い、精米歩合60%。アルコール度数は16度。甘味は抑え気味で味が本当にまとまっている。すっきりとして、キレもある。

山本はとても個性的な味。最初に米の味はあるが、すぐにレモン水みたいな味になる。途中からはもう、レモン水そのものである。秋田県の山本合名。秋田県産酒こまち、精米歩合麹米50%、掛け米55%。日本酒度+2。酸度12・3。アルコール度数14度。リンゴ酸を多く生成する特殊な酵母を使っているらしい。リンゴ酸をレモン水みたいな味に感じたのだろう。夏らしく爽やかで、かつ面白い味だ。

お通しは玉子焼き。新秋刀魚塩焼き、シマアジ刺身、焼き餃子、蟹クリームコロッケ、神威豚肩ロース焼きを注文した。料理も美味しかった。

その後、柏で降りて、AKEBIへ寄ってしまった。AKEBIは柏、我孫子エリアでは、のじじRと並んで最も好きなラーメン店。醤油味の中華蕎麦では全国で見てもかなりの高レベルだと思う。中華蕎麦の醤油を食べた。煮干中華蕎麦もあり、もう1人が注文した。この煮干らーめんは煮干の味はよく出ているけれど、ガツンとくるようなものではなく、とても優しい味だった。

萬歳楽、手取川、天狗舞、加賀鶴、白牡丹・・・

有楽町、銀座には、県のアンテナショップが集まっている。その一つ、石川県のアンテナショップ「いしかわ百万石物語・江戸本店」で利酒会があった。

500円でおつまみと、3種類の酒が試飲できる。今回は白山市の特集だった。地理的表示保護制度であるGI(Giographical Indication)に、日本酒で初めて指定されたのが白山市だ。

地下一階の会場で、立ち飲みである。開始時間の午後5時半を少し回ったくらいに行ったのだが、すでにカウンターはいっぱい。テーブルの方で飲む。立ち飲みである。

すべて白山市の酒だ。萬歳楽純米生貯蔵酒+5辛口(精米歩合70%、小堀酒造店)、手取川大辛口純米酒名流+10辛口(精米歩合75%、吉田酒造店)、天狗舞生酛仕込純米-1旨口(精米歩合60%、車多酒造)。それぞれに特徴はあるが、どれも旨い。白山市の実力を感じた。

萬歳蔵は「劔」も美味しかったが、この生貯蔵酒は米の旨味がグッと迫ってくる。米の旨味が凝縮されている。手取川はすっきりとキレがいい。天狗舞はじわーっと旨味が伝わってくるような味だった。

おつまみは揚げ茄子のポン酢かけ、剣先なんばのチョリソーとパプリカのソテー、ふぐの子糠漬。酒も旨かったし、おつまみも旨かったので、他の有料試飲も頼みたかったが、立ち飲みが苦手だし、どんどんと人が来るのでさっさと店を出た。

その後、近くの広島県のアンテナショップ「ひろしまブランドショップTAU」の2階にある広島焼の店「鯉々」で飲み直す。まず瓶ビールで喉を潤し、うまだれキャベツ、広島県産牡蠣昆布、コーネと注文する。

コーネは牛の希少部位で、コラーゲンとゼラチンが豊富な前足の脇から胸のあたり。なぜか広島でしか食べられていないという。あんまりゼラチンっぽいのは苦手だなと思っていたら、そんなわけでもなく、とても美味しかった。これはまた、広島に行った時に食べてみたい。酒は広島を代表する加茂鶴と白牡丹。それに瀬戸内レモン酎ハイ、さらに和ら麦水割りも頼んでしまった。

最後は肉玉そば目玉焼きトッピング。3種類から選べる麺は唐辛子麺。広島焼はさすがに美味しかった。現地で食べたのと同じ味だ。東京では美味しい広島焼はめったに食べられない。東京のお好み焼きや広島焼は、キャベツが大きく切ってあり、火が十分に通っていなかったり、芯が残っていたりする。細かく切ればいいだけなのに、なぜ、それが出来ないのかといつも思う。

これだけでも飲みすぎだが、帰宅後、なぜかまだ飲み足りなくて、マッカランをストレートで飲む。The MACALLAN FINE OAK HIGHLAND SINGLE MALT SCOTCH WHISKY 12。マッカランの交響楽のような複雑な香りはやはり凄い。

李白特別純米酒「ひやおろし」生詰

そろそろ、ひやおろしの時期である。ひやおろしとは、早春に絞った酒に火入れをして貯蔵し、ひと夏を越した後、火入れをしないで出荷する酒のことだ。かつては、貯蔵庫の温度と外の気温が同じくらいになった時に、冷や(常温)で卸すので、ひやおろしと呼ばれたらしい。ひと夏を越した酒は、カドがとれてまろやかになっている。

まだまだ暑くて、「夏を越した」という気分ではない。だが、ひやおろしはもうやって来ていた。島根県松江市の李白酒造では、ひやおろしの販売はもうちょっと先だったそうだが、この前の日曜日(8月26日)、柏高島屋で試飲販売をするために、早めに持ってきていた。試飲して、やはり買ってしまった。李白特別純米酒ひやおろし生詰である。アルコール分は15度、精米歩合58%。酒造好適米が100%使われている。

少し早めにひやおろしが飲めるというのが嬉しくて、買ってその日のうちにすき焼きと一緒に飲んだ。やや青みがかった涼しげな四合瓶。ふわっと米の旨味が口の中に広がるが、フレッシュな感じの中にも、落ち着きと、ふくよかさがある。後口にも酸味の余韻があった。同時に試飲した「李白特別純米やまたのおろち辛口」に比べると、ずっと旨味が深い。キレはないが爽やかさはある。これが初秋の味わいか、と思う。暑い暑いといいながら、8月ももう、終わろうとしている。

江戸時代に初ガツオが高値で取引されたように、日本人は「初もの」を好む傾向があるようだ。私にとって今の初ものは、ひやおろしである。

富久長「八反草純米吟醸」

広島の酒造好適米に「八反」系がある。有名なのは八反錦だろう。これら八反系のルーツといわれているのが、八反草だ。1875年に育種されたが、背丈が高く倒れやすいため栽培が難しく、その後、途絶えてしまったという。それを2004年に東広島市の今田酒造本店が復活させた。八反草は酒造好適米ではなく、今田酒造の「富久長」にしか使われていないという。

その八反草を使った純米吟醸酒が富久長契約栽培復活米八反草純米吟醸だ。契約栽培米の八反草を100%使用し、精米歩合はこうじ米50%、掛米60%。アルコール度数16度。酵母は「なめらか、軽快、フルーティー」を目指して広島県が開発した「もみじ酵母」が使われている。

広島では三浦仙三郎が軟水醸造法(三浦式醸造法)を生み出すまでは、「悪酒」と言われるほど、酒の出来はよくなかったとされている。当時の酒を今、飲んでみたらどうなのか、本当のところはよくわからないが、八反草はその「悪酒」のころの酒米だ。富久長のウェブサイトによると、小粒で心白がなく、硬くて吸水性がよくないが、その一方で、硬いので高精白に向いており、溶けにくいので雑味が出にくく、爽快なキレ味になるという。

わりとすっきりとした酒をイメージして飲んでみたら、香りは確かにフルーティーだが、米の旨味が力強く口の中に広がった。酸味も甘みもあるしっかりとした素朴な味だが、キレはいい。後口が残らない。確かに爽快なキレ味と言える。

笹かまぼこ、金目鯛の湯引き、ひじき煮、本ズワイガニの押し寿司と一緒に飲んだ。

岩の井純米吟醸「雄町」特別限定

きれいに仕上がる山田錦に比べ、雄町はふくよかで複雑な味になるといわれている。個人的にも、「優しい」というよりは、「力強い」というイメージがあった。だが、この「岩の井純米大吟醸雄町特別限定」の雄町は、実に優しい味で、驚いた。千葉県御宿町の岩瀬酒造。精米歩合は50%。山廃仕込みで、アルコール度数は16度。

まず、口当たりが信じられないほど柔らかい。シルクのようだった。そして、雄町らしいふくよかさと旨味、酸味が広がり、最後にキレ。雄町の特徴であるふくよかさや複雑と、優しさや上品さが共存している。私が飲んだ雄町の中では、今のところ、最高の味だと思う。

岩瀬酒造は濃醇で酸のきいた酒が得意らしいので、このように優しい味は純米吟醸ならではの特別な味なのだろう。柏高島屋で試飲販売会があって、あまりの美味しさに衝撃を受け、すぐに購入した。

一緒に食べたのは、豚ばら肉の柚子胡椒、湯豆腐、そうめん。湯豆腐やそうめんはポン酢。柑橘系の酸っぱい味は、この「雄町」の優しさや複雑さと合ったかどうか分からないが、酒は進んだ。

天山大吟醸「飛天山」

佐賀県小城市にふるさと納税をして、返礼品として天山酒造から1年間、日本酒を送ってもらっている。天山酒造は七田で有名だが、七田以外の酒も旨い。

この「天山大吟醸飛天山」もそうだ。山田錦を100%使い、精米歩合は35%。それだけでもう美味しいのはわかるが、大吟醸ではあるけれど、きれいな酒というよりは、米の力強さが前に出ている。酸味もしっかりして、ふくよかさもある。大吟醸は普通は薫酒だが、むしろ醇酒に近く、薫酒のよさもある酒だと思う。

日本酒度は+3、酸度は1・5。仕込み水は天山山系の伏流水だ。この伏流水が中硬水で、米の甘味がグッと出ながらも、一種の辛さを出しているのかもしれない。酵母は何かわからないけれど、精米歩合35%というのは、YK35に合わせているのかも。

この日は石鯛の刺身、蒟蒻の刺身、鶏唐揚げ、豆酪で飲んだ。刺身や唐揚げにはスダチをかけて、夏らしく柑橘系の味と合わせてみた。「飛天山」ほどの旨味と酸味があれば、もっと濃厚な味の食べ物にも合うだろう。

きれいなだけではない力強さを感じさせる、実に贅沢な酒である。

蕎麦の名店「松風庵」と「花の九十九里」

我孫子、柏地区には、蕎麦の名店が多い。有名なのは柏の竹やぶだが、湖庵や松風庵も素晴らしい。

久しぶりに知人と2人で我孫子の松風庵に行った。ここは蕎麦が出るまで時間がかかるので、まず瓶ビールを注文する。アサヒスーパードライの中瓶に、蕎麦の実と滑子、青唐辛子を和えたものが出てくる。これが実に美味しい。

ビールを飲みほしてもまだ蕎麦はこない。「冷酒」とだけ壁に貼ってある日本酒を注文する。出てきたのは千葉県山武市の寒菊銘醸の「九十九里 純米酒」だった。日本酒らしい、しっかりとした酒である。飲み口は柔らかいが、後味に甘味と苦みがあって、米の旨味がきちんと表現されている。燗でやや辛くしてもいいかもしれない。

蕎麦は平打ち蕎麦と細打ち江戸蕎麦の合盛せいろと、平打ちと極荒蕎麦の合盛りで鴨汁蕎麦を2人で食べる。平打ちと細打ちは蕎麦の香りがふわーっと立って、スーッと体に入っていくような感じ。日本酒で言うと大吟醸である。極荒は無濾過純米原酒みたいな、強い蕎麦。蕎麦粉の味が力強く、のど越しはいいけれど、味はガツンと残る。塩で食べると大変に美味しい。この塩で食べる極荒と九十九里がとてもよく合う。九十九里は地元産のこしひかりを使っている。精米歩合は65%。癖がなく、実にオーソドックスな日本酒の味。味が濃厚な松風庵の蕎麦には、淡麗辛口よりもこの方がいい。

松風庵でお昼から、九十九里を飲みながら蕎麦を食べるのは、何ともいえず贅沢である。